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散歩やヨガで転ばなくなるのか?

目次

ロコモティブシンドロームを予防するための運動について

ロコモティブシンドロームの予防として、運動をして骨や筋肉を使うことが推奨されておりますが、どのような運動を日常生活で習慣化することで、加齢によって筋肉や骨密度が減ってしまう前に行うことができるのかについて【背骨コンディショニング】のパーソナルトレーナーとして、そして、インド中央政府認定されたヨーガ・インストラクターおよびセラピストとして述べてみます。

今回のテーマとなる、それぞれの運動が【転ばぬ先の筋肉】となり得るのかどうかについてご参考いただければと思います。

ウォーキング(散歩)について

まず、ウォーキングするメリットは何かについてですが

ウォーキングにて第二の心臓と言われている「ふくらはぎ」を適度に刺激することで、血流のめぐりが良くなることで血行やリンパの流れがよくなることで女性に多い冷えやむくみといった症状が改善されることが期待されます。

また、自分の身体状態に応じた強度や時間などに応じてウォーキングできることから、負担なく適度な負荷にて心肺機能を鍛える心肺機能の向上と血圧を下げる効果も期待することができるでしょう。

最近注目されていることですが、骨を強くすること、つまり、ウォーキングで縦に重力がかかることで骨に負荷がかかり骨細胞の働きが活発になって骨質が良くなりますし、また、日光を浴びることで骨の代謝を活性化するビタミンDの働きが強まって骨の形成が促進されて骨量もアップすることで丈夫な骨が作られ、骨粗しょう症の予防が期待可能です。

デメリットとして

正しいフォームで歩けないこと、と何のためにウォーキングするのかの目的が曖昧だとすれば、上記に述べた効果が充分には得られないということ。

ランニングやスイミングなどのような他の有酸素運動に比べて運動強度つまり負荷が低いということと天候に左右されてしまうこと。

最後に、ウォーキングが【転ばぬ先の筋肉】となり得るのか?についてですが

まったくならないとは言わないけれど、やらないよりはマシという程度でしかないというのが正直なところです。

ポイントは、ウォーキングで鍛える筋肉の種類が「遅筋繊維」だからです。最後にこの「遅筋繊維」について詳しく書きますが、「遅筋繊維」の性質として骨格を支えるほど太く大きくならないと理由となります。

転ぶときというのは、不慮の事故と言いますか想定していなかった状況において体勢を崩してしまうことになるのですが、この状況において瞬時にバランスを整えることができる筋肉が「速筋繊維」となるからです。

生徒様で転ばないようにウォーキングしているのにほんの些細なことから転けて怪我をされた方というのは少なくないです。

ヨガ(ストレッチ)について

インド中央政府から認定されたヨーガ教師でかつ本場ヒマラヤのヨーガを実践している者として、ヨガとストレッチを並べて述べることには正直、抵抗があることは確かなのですが....

一般的に同じようなものとして理解されていることから、スポーツジムで提供されているヨガやストレッチのこととして、つまり、ポーズやストレッチすることを目的としたヨガについて述べてみます。

インストラクターが提供する同じポーズをとることやそれぞれの動きにおいて普段使わない筋肉が伸ばされて血流がよくなりますし心身そろっての爽快感をもたらすこととなり得ます。

運動することでの冷えの解消や代謝の向上、内臓の働きが促進されますし、深い呼吸とともにポーズを行うヨガは有酸素運動であり、身体の柔軟性が増して、筋力・体力・バランス能力がつき、健康維持・増進が期待することができるでしょう。

また、インストラクターによっては、身体のゆがみやくせを整える指導やシェイプアップ効果、姿勢が良くなる、もしくは、内臓が活性化され体内環境を整える、自然治癒力を高める、内観性が高まる集中力、感情のコントロール力の向上、慢性的な症状の緩和肩凝り・腰痛・頭痛・冷え・便秘・更年期・月経障害などの病気の予防や改善、自律神経を調えるホルモンバランスの調整や強化などを指導される方々もいらっしゃらると思います。

実際に起きた話としてなのですが、ヨガのインストラクターがスマホで歩きながら緊急なメールの対応をしているとき、歩道の段差にバランスを崩して骨折したケースが物語りますように

転倒するというのは、予期せぬことであり、思いもよらないことで突発的に生じることとなります。

ヨガのインストラクターと言えば、柔軟性がとてもあって、筋力・体力・バランス能力に長けており、体幹も鍛え上げられている身体だという印象があり、実際に、私の友人や知人のインストラクターは素晴らしく鍛え上げられた肉体だと誇れます。

しかし、本場のヨーガは、筋トレとしてアイソメトリック運動とアイソトニック運動をバランスよく、つまり、アイソメトリックにて有酸素運動による「遅筋繊維」、アイソトニックにて無酸素運動にて「速筋繊維」をそれぞれに鍛えているのですが、この「速筋繊維」を鍛えることを指導するインストラクターは残念ながらほんの一握りだと言えます。

本場のヨーガ行者は、ヒマラヤ山中で暮らしているので転倒して怪我をすれば命に関わること、山の中に救命救急はないので、現代のフィットネス理論そのものを経験として獲得しているのでしょう。

ウォーキングで述べたように、ポイントは「速筋繊維」であるのですが、他には、ヨガでの身体の歪みは筋肉の筋の歪みの矯正が主となり、仙骨や背骨の歪みがもたらす神経の緊張によるストレス等について、転倒の危険に対してどのような影響を与えることとなるのかについての知見も予防について大きな助けになります。

有酸素運動と無酸素運動について

ただひたすらにがんばって運動をすれば良いということではなく、有酸素運動と無酸素運動の違いを知り、個々の目的によるそれぞれの特徴や効果について解説します。

有酸素運動とは?

有酸素運動とは、軽程度から中程度への負荷を継続的にかける運動のことで、酸素を使って筋肉を動かすエネルギーである脂肪を燃焼させます。脂肪を消費するため、体脂肪の減少や高血圧などに効果が期待できます。

代表的な運動は、水泳や縄跳び、ジョギング・ウォーキング、サイクリングなど身体に貯蔵されている脂肪を燃料とすることで長時間に無理なく続けられる強度の運動があげられます。

鍛えられる筋肉は「遅筋繊維」となります。

無酸素運動とは?

無酸素運動とは、短時間に瞬発的に大きな力を一度に発揮する強度の高い運動を指します。

筋肉を動かすためのエネルギーを、酸素を使わずに作り出すことからこのように呼ばれているのですが、エネルギーの発生に酸素を必要とせず、糖をエネルギー源として利用します。

全力もしくはそれに近い筋力を短時間で発揮しやすいのが特徴です。

代表的な運動は、短距離走や筋力トレーニング、ウエイトリフティングや投てきなどの短時間かつ運動強度の高いものがあてはまり、筋肉量を増やし基礎代謝を高める運動となります。

鍛えられる筋肉は「速筋繊維」となります。

「遅筋繊維」と「速筋繊維」について

筋肉は、大きく分けて骨格筋、平滑筋(へいかつきん)、心筋の3つの種類に分かれます。

骨格筋は、身体全体や手や足を動かすときに使われる自分の意思で動かせる筋肉で、平滑筋は、血管、胃や腸など主に内臓にある筋肉で自分の意思で動かすことができない筋肉となり、心筋は、心臓を動かす筋肉で平滑筋同様に自分の意思で動かすことができない筋肉となります。
 
運動で鍛えることができるのが、骨格筋で筋繊維というゴムひものような細長い細胞が集まったもので作られていて、筋繊維は大きく分けて「遅筋繊維」と「速筋繊維」に分かれます。

「遅筋繊維」について

「遅筋繊維」は、ゆっくりと収縮する筋肉で瞬発的な強い力を発揮することができないのですが、一定の安定した力を長時間発揮する持久力がありって疲れにくい筋肉となります。

「遅筋繊維」は、赤く見えるため赤筋と呼ばれ、魚で例えると、遠海で泳ぐマグロやカツオは、長時間泳ぐスタミナをもった赤身の「遅筋繊維」です。

いくら鍛えても骨格を支えることほど大きくならないので、【転ばぬ先の筋肉】とはなり得ません!

「速筋繊維」について

「速筋繊維」は、すばやく収縮する事ができる筋肉で短時間で一瞬にして大きな力を発揮するときに使われます。しかし、瞬時の大きな力を発揮する特徴に反面して持久力となるスタミナがなくて疲れやすい筋肉となります。

「速筋繊維」は、筋肉が白っぽく見えるため白筋と呼ばれ、魚で例えると近海で泳ぐタイやヒラメは一瞬に逃げる速さをもった白身の「速筋繊維」となります。

鍛えれば鍛えるほどに骨格を支えることのできる大きさになりますし、突発なアクシデントによる不可抗力にも瞬時に対応できる繊維ですので【転ばぬ先の筋肉】となり得ます!

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