誤嚥を防ぐための口と舌を鍛えるパタカラ体操
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口と舌を鍛えて誤嚥を防ごう!
83歳の母も誤嚥を防ぐための「パタカラ体操」を介護施設のデイサービスにて行っているのですが...
ただ口で「パタカラ」と唱えても効果的に口と舌の筋肉を使うことにはなっていないので、図解を使ってポイントを絞ってご紹介させていただきます。
口と舌の効果的な使い方について
「パタカラ体操」とは、「パ」「タ」「カ」「ラ」の4文字を発音することで、口と舌の筋肉を使って食べたり飲み込んだりする時に誤嚥を起こさない、つまり、気道(気管)に入ってしまうことを防ぐための体操の一つになります。
なぜ、誤嚥を起こさないことが重要かと言いますと、誤嚥が原因で誤嚥性肺炎という重篤な病気に罹ってしまうこともあるからです。
「パ」の発音時に、図解のように唇を閉じた状態から「パ」と発することで、これは自然にできると思います。
「タ」の発音時には、舌の先を口蓋につけた状態で「タ」と発するので、これは意識的にする必要があります。
「カ」の発音時にも意識的に、口蓋の奥に舌を引っ込めながら「カ」と発します。
「ラ」の発音時には、巻き舌にして口蓋に押し当てるように「ラ」と発します。
通常の筋肉トレーニングでも正しいフォームによって筋肉を鍛えることができることと同じことが、この口と舌の筋肉を効果的に鍛えることにおいても重要になります!
「パタカラ体操」の3つのやり方
1.単音での発音練習
「パ」「タ」「カ」「ラ」と1音ずつゆっくり丁寧に発音する。
2.連続での発音練習
「パパパパ・・・・・・」「タタタタ・・・・・・」や「パタカラ、パタカラ・・・・・・」のように連続して発音する。
3.文としての発音練習
例えば、「パンダのたからもの」のように「パタカラ」を発音する文として、「パンダのたからもの、パンダのたからもの・・・・・・」のように発音する。
いつどのくらいに行うのか?
上記のどのやり方でも、飲食する機会の前に、口と舌の準備運動として10回程度行ってください。
単音の発音が一番やさしくて連続する発音が一番難しいので、まずは、やりやすい方法から始めることがオススメです。
コツとしては、はっきり聞こえるように発音することが大切で、かなり慣れてきたら早く発音することもできます。
発音する音と使う筋肉について
「パ・タ・カ・ラ」のそれぞれの音を発音するためには使う筋肉があることを知ることは、よりこの体操を効果的に行うことつながります。
「パタカラ体操」で使う筋肉は、食べたり飲み込んだりする機能と密接に関係するからです。そしてそれぞれの音を発音する時に口と舌にどのような力が入るのかを是非知って欲しいです。
■「パ」は口を閉じる力
食べ物を口からこぼさないように唇を閉めるために働く筋肉を使います。唇をしっかり閉じてから発音しましょう。
■「タ」は押しつぶす力
食べ物を押しつぶして飲み込む時に働く筋肉を使います。舌を上あごにくっつけて発音しましょう。
■「カ」は誤嚥せずに飲み込む力
食べ物を飲み込む時に誤って気管に入らないように喉の奥を閉じるために働く筋肉を使います。喉の奥を閉じて発音しましょう。
■「ラ」はまとめる(丸める)力
食べ物を飲み込みやすくまとめる時に働く筋肉を使います。舌を丸めて舌の先を上あごの前歯の裏につけて発音しましょう。
「パタカラ体操」の効果の事例
食べこぼしが減った、食べ物を押しつぶしたり丸めやすくしやすくなった、食べ物が軌道に入るのを防ぐといった効果が期待できます。
本人よりもそばでご覧になっているご家族が「飲み込みやすくなった」「食べ物が口に残らなくなった」「むせて咳き込むことが減った」などの効果が感じられているようです。
何か少しでも効果を感じることができれば、「パタカラ体操」を続けやすくなると思います。